
北側 これからの時代を切り開く素晴らしい言葉ですね。この考え方は、障害者の自立支援だけではなく、高齢社会への対応についても当てはまると思います。いま日本社会の中核で活躍している団塊の世代は、あと5年ほどで年金受給世代となります。その超高齢社会の中で、活力があり安心できる社会を作るためにはどうすればいいのか。これが大きなテーマとなっています。
まずは、従来型の高齢者のイメージを変える必要があります。つまり、高齢者を「社会に支えられ、サービスを受ける側」としてのみとらえるのではなく、高齢者も能力を発揮し活躍できる場を日本社会の中に作るべきだと思います。
竹中 同感です。高齢化が進めば、高齢者を守り支える側の人は少なくなります。それをどうするのかという危機感が、私の活動の出発点です。私の娘は重症心身障害を持っています。「チャレンジドであっても仕事ができ、高齢者を支える側に回れるような活動をしよう」というのがきっかけでした。
北側 プロップ・ステーションの活動には、何人ぐらいの人が参加されているのですか。
竹中 スタッフは10人ほどで、そのうち7人はチャレンジドです。IT(情報技術)を活用して、チャレンジドが自分の力を世の中に出すことに挑戦しています。1991年に発足してから既に1000人以上がプロップ・ステーションを通じてコンピューターの講習を受け、去年1年間では約100人が仕事に就きました。だれもが持てる力を発揮し、誇りをもって社会参加できる「ユニバーサル社会」を目指しています。
北側 米国には障害を持つ人への差別を禁止し、社会参加の機会平等を保障する「障害をもつ米国人法(ADA)」があります。連立与党のプロジェクト・チームでは、日本版ADAといえる「ユニバーサル社会形成推進基本法」(仮称)の法案作りに取り組んでいます。これは障害の有無だけではなく、性別、年齢にかかわりなく働ける社会の実現を目指すものです。国会に提出して成立できるよう、私自身もしっかり頑張っていきます。
竹中 人の意識と社会の制度は表裏一体の関係です。「ユニバーサル社会」という新しい考え方が制度化されれば多くの人の意識が変わると思います。立法化に踏み出した与党の皆さんに期待しています。
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