
― 次に北側先生は公明党の政務調査会長でおられ、連立与党の政策責任者として大変活躍されてこられましたが、ご苦労な点がおありでしょうか。
北側 周知のように、自民党はいい意味で大変幅の広い政党で、様々な人が集まっています。公明党はそれほど大きな政党ではありませんから、一緒に議論しても、我々が言っていることが何でも通るわけではありません。ただ、我々も自民党との連立政権を担って4年経ちました。そうすると、国民受けが悪い政策であっても、場合によってはやらなければならない場面もあります。我々も責任ある立場にあるので、しっかりやっていかなくてはならない。
自民党の方々は、長年政権を担当してきて、ある意味では、その時点では国民に対して受けの悪い話でも、やらなければならないときはやるという腹がすわっておられます。そこは我々も一緒にやっていて見習わなければいけない部分です。
ただ、逆に、自民党の方々には、大衆性や庶民性という視点で見たときに、「ああそうか、こういうことが大切だな」ということを、逆に理解していただいている場面も相当あると思います。例えば、中小企業政策については、この4年間、相当声を上げて言ってきたつもりです。
弓岡 公明党の皆さんは年齢的に若い方が多いですからね。公明党の政策に対し、自民党は非常に関心を持ち、積極的に取り入れているということも伺っています。中小企業政策については自民党よりも一歩進んでいるという評価もありますね。
北側 小泉総理が唱えている構造改革は正しいと思っています。やはり、今までの右肩上がりを前提にしているような社会の仕組み、経済構造を変えていかないといけない。これを変えていかないと、今後の日本の発展は望めません。
従来のように、どんどん減税をやれば、どんどん公共事業をやれば、それで景気がよくなるのであれば、これほど楽なことはないのですが、今はそういう時代ではありません。
ただ、改革を進めていく一方で、セーフティネットをしっかり作っておかないと、改革もなかなか前に進まなくなってしまう。
そういう意味で、例えば雇用、中小企業という立場に立って、しっかりセーフティネットを張り巡らしていくことが大事であるということを小泉首相に対して率直に言っていくということが、我々公明党の大きな役割ではないのかと思います。
― そのお話の続きで、景気はようやく穏やかな回復傾向にあるものの、更なる景気対策が必要かと存じますが、今後の政策についてお聞かせください。
北側 今、大切なことは、持続ある経済成長をしていくことです。先ほども述べましたが、構造改革を進めていかなければなりません。昔のように公共事業をどんどん増やす、減税を大幅にやる、それですぐ経済効果が出るかというと、なかなか出ないし、また、長続きもしません。
例えば今、1年間で創業の件数は15万社ぐらいです。大阪は廃業のほうが断然多い。起業、開業、創業、よりも廃業率が高くなっているのです。
では、そういう新しい業を起こそう、また、今ある企業でも新しい業務、新しい仕事をやりたいと思っていらっしゃる方が少ないのかというと、決してそうではないと思います。ただ、そこにはいろいろな障害があって、なかなか挑戦できない。この新しい事業を起こそうとされる方々を、金融面、ノウハウ面も含めてしっかり支援していく体制を作っていくことが非常に大切ではないかと思っています。
あと、やはりこれからの日本の経済を引っ張っていくリーディング産業に重点投資し、重点育成しなければならないと思います。
日本は資源がない国ですが、これまでは技術力で世界をリードしてきたわけです。今、そういう技術が日本にないかといったら、世界最先端の技術が間違いなくあるのです。
例えばバイオ、ロボット、有機ELなどは世界の最先端を走っている部門です。
そこにしっかりと集中投資し、国も支援して、日本のリーディング産業というものを育てていくことが大切です。平成15年度予算で、719億円を投資して、80近いプロジェクトを育てているのですが、これをさらに増やしていこうと取り組んでいる最中です。
日本は、景気低迷が続いてきて、自信を失っている部分があると思いますが、実際、これから世界の最先端で日本が先導するような技術開発の現場を見せていただくと、実に素晴らしいものがありますので、もっと自信を持っていい。ただ、今は韓国、台湾などを含め、投資の大競争時代になっているので、うかうかしているとすぐに追い抜かれてしまう。
ですから、この大競争に負けないように、民間に任せているだけでなく、政府もしっかりと投資をしてあげることが大切です。
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